Project

カムパネルラの光 〜第51回芸術祭優秀賞受賞〜
<1996年10月31日〜11月4日>


音楽:梅津和時(Sax・音楽監督)レナード衛藤(太鼓)太田恵資(Vn)
JINMO(現代音楽家/コンピュータ音楽作曲)


<Story>
今回、主役のGとCは、一つの役を二人のアーテイストによって表現する方法を試みました。つまり、現実の生身の人間としての役を俳優が演じ、その内面や自由な思考、オーラをダンサーが演じるというわけです。
また、音楽、映像と様々な個性あふれる才能が集結し実現したこの作品は、ライブならではの公演ごとに違うスリリングなコラボレーションをお楽しみいただけることと思います。(初演プログラムより)


<Cast>
ダンスG:上島雪夫 G:畠中洋 ダンスC:堀内充 C:黒田勇樹 ノア・他:能美健志 虫取り網の男・他:水田浩二 サソリ・他:松本直樹 光る民・他:渡部治彦 光る民・他:桝竹真也


Scene 1 :プロローグ 車窓にて

少年Cが列車の窓から望遠鏡で外の景色を覗いている。様々に変化する車窓の風景。
やがて通勤のため、たくさんの乗客たちが乗り込んできた。


Scene 2 :オフィスにて

青年Gは空間プロデューサー。今日も頭の固いクライアント相手に奮闘する。


Scene 3 : 眠らない夜

仕事を終え、このところGが遊びにいくのはストレスフリーの夜のクラブ。
そこには様々な刺激を求め様々なタイプの現代人が集まっている。


Scene 4 : 見えない真実

クラブを後にしたGは、何時しか小高い丘の上に来ていた。
そこで彼は星を探す少年Cにであう。


Scene 5 : 異空間の星祭り

少年Cの指し示す道の彼方より、光る民たちが出現。
いつしかGは、不思議な世界に足を組入れていた。
そして、光る民たちに取り囲まれたGは自分が星として生まれる祭りに巻き込まれたことを知る。

©︎ H.TANIOKA
©︎ H.TANIOKA


Scene 5~6

異空間から意識の海へ・・・


Scene 6 : 意識の海

光る民たちに星として別の異空間に投げ込まれたG。
そこは透明なものに満たされた美しい海だった。
Gは波間に漂いながら少年Cを追う。

©︎ H.TANIOKA


Scene 7 : 欲望の島

少年Cを追ううちにGはまとわりつくような空気に支配された空間にでる。
そこで彼を待っていたのは、欲望を駆り立てるサソリたちの誘惑だった。

©︎ H.TANIOKA


Scene 8: 幻影の森

サソリたちの誘惑をふりきりGは、青い木漏れ日の森へ辿り着く。
そこに少年Cが現れ、ここはGが暮らしていた時に感じていた世界と
同じように変化する場所であることを告げられる。
空間は狭まり、やがて何者をも飲み込もうとする闇がGに襲いかかってくる。

©︎ H.TANIOKA


Scene 9 : エピローグ

気がつくとGは自室にいた。どうやら昨日は服を着たまま眠ってしまったらしい。
彼はいつものように出勤する。いつもの車両に乗り、いつもの車窓を眺めるG。
しかし外はいつになく、きらめく光に満ちていた。